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【コラム】解決志向アプローチ(Solution Focused Approach)

解決志向アプローチ解決志向アプローチは、アメリカで研究されたカウンセリング(心理療法)の理論で、英語では Solution Focused Approach(ソリューション フォーカスト アプローチ)と表現され、 SFAと略されることもあります。

その根本は、「問題」と「解決」は関連しない。
「問題」を解決するのではなく、「問題」とは別のところに「解決」があるということです。

その人がいま抱えている問題ではなく、既に持っているリソース(長所、才能、恵まれた環境など)に注目し、それを活かすことにより、その人は自然により良い状態や快適な状態、望ましい自分自身に近づいていくという考えです。

また、解決志向アプローチには、心理療法の分野だけでなく、我々が日常でも活用できるヒントも多く含んでいると思います。
 

解決志向アプローチの特徴

解決志向アプローチの特徴は、その発想や捉え方にあり、その中心にあるのが、グランドルールと呼ばれている3つの原則です。

  • ・うまくいっているなら、そのまま続ける
  • ・うまくいっていないことはやめて、なにか別の行動を起こす
  • ・うまくいくまで、いろんな行動を試してみる

この3原則の中で、今うまくいっていないことに対するアプローチとしては、「それをやめてみる」ということだけです。

人は悩みや問題を抱えたとき、原因を探り、その原因を改善することによって問題を解決しようとしてしまいます。問題解決
友人などに相談したときも、その友人は原因を探して改善するにはどうしたらよいか、ということに注目してしまうことがよくあります。

これらは、今起こっている問題やうまくいっていないことに着目するため、出来ないことを自分自身で責めることになったり、友人から責められているような感覚がどんどん大きくなったりしてしまいます。

そして、モチベーションも下がっていき、前に進めない状態になってしまうことも少なくありません。

解決志向アプローチの特徴一方、解決志向アプローチでは過去にうまくやれていた自分の行動や状況に注目し、「どうしてうまくいったのか?」「何が役に立ったのか?」など、うまくいったときのことを探っていきます。

これは、成功の責任追及と言われ、うまくいったときのことを丁寧に評価することで、その良い状態を繰り返し起こさせる効果があります。ここで大切なのは、自分自身が行なった行動の中から、うまくいったときの行動を見つけるということです。

そして、今抱えている問題ではなく、自分が元々持っているリソース(長所、才能、恵まれた環境など)に注目することになり、自分がうまくやれていたときの状況を知り、潜在的な力を引き出すことで、解決へ向けて道を開いていくキッカケになることを期待したアプローチです。
 

心が解決に向けて動く

よく間違えられることがありますが、解決思考でも、解決指向でもありません。

  • ・志向とは「心」がある目的に向かう、目指す、志すこと。
  • ・思考とは「考え」がある目的に向かうこと。
  • ・指向とは「物事」がある方向に向かうこと。

「解決志向アプローチ」で重要なのは「考え」や「物事」ではなく、「心」が解決に向けて動くということです。

また、「問題解決志向」でもありません。
前述にもありますが、「問題」と「解決」は関連しないということが解決志向アプローチの根本にあります。「問題解決」ではなく、「問題」とは別のところに「解決」を見つけていくということです。

これらを言い換えると、頭ではなく潜在意識が、問題とは別のところにあるリソース(長所、才能、恵まれた環境など)に気づき、それに注目することにより自然に解決に向かった行動ができていく、ということになります。

潜在意識につきましては、催眠療法とは のページでもご説明していますが、催眠療法では、潜在意識に存在する「辛かったり悲しかったりした記憶」に注目し、それらを癒したり、新たな気づきを得たりすることが比較的多いのに対して、解決志向アプローチでは、「楽しかったりうまくいったときの記憶」を引き出し、解決に向けてそれらを活用していきます。
 

解決志向アプローチを日常に活かす

解決志向アプローチ(Solution Focused Approach)は、心理カウンセリング的な手法ですが、よく似たお話しは、身近で聞く機会も多いと思います。

  • ・人と比べて自分には無いものばかりに目を向けると、ますます幸せから遠ざかっていく。
  • ・失敗は成功のもと。失敗したときは後悔ではなく反省して、次につなげよう。日常的解決志向アプローチ
  • ・やらない理由に目を向けると、成長は止まる。
  • ・行動により得られるものは、成功でも失敗でもなく、気づき。
  • ・結果を出す人は、「実際にやってみて確かめる」という行為を当たり前のように繰り返している。

これらも広い意味では、解決志向アプローチにつながるものだと思っています。
そのように考えると少し発想を変えるだけで、解決志向アプローチを日常に活かしていくことは、それほど難しいことでは無いように感じてくるのではないでしょうか。
 

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