ヒプノセラピー(催眠療法)の歴史
ヒプノセラピー(催眠療法)の歴史は、古代のエジプトまで遡ります。
当時は「眠りの寺院」と呼ばれる場所があり、僧侶が唱える呪文のようなものによって信者が眠りにつき、心身ともに癒されていました。そしてこの手法は、紀元前4世紀ごろにギリシャに伝わり、さらにローマへと広がっていきました。
本格的には、19世紀になり、英国マンチェスターの外科医、ジェームズ・ブレイド氏により、ギリシャ語で「眠る」(hipnos)という意味をもつ言葉から、英語の「ヒプノシス」(hypnosis)という言葉が創られました。
しかし、元になった言葉が「眠る」だったために、後々「催眠」と「睡眠」を混同してしまうきっかけになったとも、言われています。
1880年代には、ナンシー医科大学の教授イポリット・ベルネーム氏、医師のオーギュスト・アンブロア・リエボー氏らの研究により、医学界においても催眠は有効な治療法として認められるようになりました。
20世紀になり、エミール・クーエ氏が、「すべての催眠は自己催眠である」という催眠の新しい見解を持ち研究を進めることにより、様々な暗示の法則が定義されていきました。
また、米国では、現代催眠の創始者といわれるミルトン・エリクソン氏が登場します。
現在でも「エリクソン催眠」と呼ばれる一つのジャンルを形成するほどヒプノセラピーでは有名な人物です。
そして、1958年には、米国医師会によって、催眠は有効な治療法であると、正式に認められました。
さらに、1988年には、ブライアン・L・ワイス博士が出版した著書「前世療法」が、世界的なベストセラーになり、これをきっかけに、アメリカを中心に急速にヒプノセラピーが普及しています。
また、2015年10月には、私もヒプノセラピストとして認定をいただいています「日本臨床ヒプノセラピスト協会」の代表でワイス博士とも親交が深い村井啓一先生監修による「コミック版 ワイス博士の前世療法」が発刊され話題になりました。